わすれたくない

記憶容量が極端に少ない自分のための備忘録。腐女子注意。

残穢 住んではいけない部屋

結局「住んではいけない部屋」ってどこのことだったんでしょうか。


以下、映画のネタバレ





読者の実話心霊体験を募集して百物語とするコーナーを持っていた作家のもとに、千葉に住む女子大生から「アパートのおかしな和室」という内容の投稿が寄せられた。
――和室に背を向けていると、畳の上を箒で擦るような音がする。
オカルト研究部に所属する彼女と作家が調査を進めていくうちに、前入居者の自殺、他の部屋の住人に起きる不可解な現象、アパートが建つ数十年も前から土地にまとわりつく不気味な噂話が発覚する。赤子の声に狂い自殺した女、地下から聞こえる怨嗟の声に赤子を生んでは殺した嬰児殺しの女、座敷牢から抜け出しては床下を徘徊する気狂い。時代をさかのぼるほど闇は深くなっていく。歴史を追っていく調査陣はついに、九州に伝わる「語れば祟られる。聞いても祟られる」と伝えられる奥山怪談、その発祥の家に足を踏み入れることになる。



一言でいうと日本人らしい理不尽ホラーだという印象。


私的に一番イイ!と思ったのは、
主演がアイドルの女の子ではなかったこと(重要な役どころだった橋本愛さんはモデルさんらしいですが、着飾ったりかわいこぶったりせず雰囲気を作られていました)
主題歌がぶん投げられていなかったこと(作品に似合った不気味なインスト曲でした。なぜか無名女性シンガーの曲が起用されがちなジャンルだと思いますが、雰囲気を重視していたので嬉しかった。こうあるべきだと思うよ…)
作品の内容関係ないやんけ!ってポイントなんだけど、いや、主演がアイドルじゃないってすごいよ、すごいありがたいよ、あの呪怨でさえ「事務所の力には勝てなかったよ…」みたいなキャスティングをしている中、怖い雰囲気を作れるキャスティングをしてくれただけで評価してしまうよ…。ナンタラ団地なんかはCMの「キャーー(高い声)」でもう観る気をなくした派閥なのですが、同じような人も結構いたんじゃないかな?


あと音がドーン!ドンドンドンドン!!画面外からいきなりニューン!CGがバーン!というびっくり系ホラーではなかったので、昔の純和風ホラーがいいんだよ、という方や、怖いものは得意だけどびっくり要素にびっくりするのが悔しいんだよ…という方にはお勧めしたいです。
首吊り女性の着物の帯が床を擦っている、とか、精神病患者の座敷牢、とか、炭鉱事故とか、歴史ホラーオタク的には惹かれるワードですよね。でも娘がこんなワードに惹かれているだなんて私が私の親だったら泣いてると思います。


びっくり系ホラーではないが幽霊そのもののもじもじくん(黒)のCGは恐ろしくチープなので、実際その幽霊たちが出てきても怖くはないんですよ。
あれどうしてあんなんなったんだろう。真っ先に思い出したのは映画トリックであの刑事さんの頭のハゲを隠す動くモザイクだったんですけどあんな感じ。触ったらフワフワしてそうだった。そんなビジュアルの炭鉱夫が、炭鉱での火災事故で見殺しにされた恨みにさまよい、焼き殺せ、焼き殺せ、と怨嗟の声を上げるんですが、序盤ずっと「ラッキー……ころせえ……ラッキー……」と聞こえ続けていたので素直に怖がれなかったんだと思います。全部私のせいです。


最終的には「語っても、聞いても呪われる」という噂話が真実。調査にかかわった作家、女子大生も心霊現象と付き合い続けることになりそうだし、おそらく奥山怪談の調査結果の出版を間近に控えていたんだろう編集部なんかいきなり炭鉱夫が涌いて出てきてサヨナラバイバイED。死が色濃く描かれたのは編集部、あと前入居者が自殺したアパートの一室で暮らすお兄さんだけでしたが、物語の流れ的にはかかわった人間全員近いうちに死ぬんじゃないかな……。呪いの本拠地まで入っちゃってるもんね。これで死亡フラグを回避したいならリング並みの奔走が必要になりそうです。映画一本作れそう。



で、ここまで考えると、タイトルの「住んではいけない部屋」って結局どこ?というところで堂々巡りをしてしまうんですよね。
自分アホな上に原作未読ですので、きっとどこかに答えがあるんだろうと思います。でも、諸悪の根源のような場所は「家」の形をとっている。そこの家主が炭鉱夫にコロコロされたのは確かに「部屋」なんだけど、部屋に住んでる…って表現ならやっぱりアパートやマンション。それなら女子大生の部屋かな?と思うけど、アパートがある土地そのものが呪われて、穢れが残っているわけだから、それもまた表現としてはずれているのではないか。ていうか該当する家や部屋に住んだり泊まったこともないのに呪われて死んでる人がいるわけなので、


残穢~穢れポイントチェック~
該当するところにチェックを入れてください。
 □奥山家に伝わる話を聞いた(配点1)
 □ミヨシ宅の土地に訪れたことがある(配点2)
 □ミヨシ宅の土地に住んだことがある(配点5)
 □ミヨシ宅の土地に住み、穢れに直面した(子供を除く)(配点5)
 □ミヨシ宅の土地が原因で死んだ人間と関わった(配点5)
 □奥山怪談を語った(配点5)
 □奥山家を訪れた(配点5)


配点6点以上の回答者のもとには、後程業者(炭鉱夫)が伺います。


とかそんな区分であるような気がする。
それだってカッパの手のお兄さんが生きてる理由がわからないけど。



でも実際は、掲載する記事の題が、女子大生のKさんを語り部とした「残穢 住んではいけない部屋」なんだろうな

×

非ログインユーザーとして返信する